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人材と人財

こんにちは。

最近よく耳にする言葉として人手不足とか人材不足という言葉がメディアで流れています。

その人材ですが、まず少子高齢化社会において人材不足に陥るのは至極当たり前の事です。

例を挙げると鰻と同じで少ないものを手に入れるにはそれ相応の費用を払います。

この前、土用の丑の日でしたが、どこも国産鰻を食べようと思えば3,000円や4,000円払う(仕入価格であれば1,000円以上)事に異論を述べた方はいらっしゃるでしょうか。まずいないと思います。

 

もう少し安いものを例に挙げるとキャベツやもやし、豚肉をそのまま出す料理人はまずいないと思います。

当然のごとく、これらは無加工のままではただの材料でしかありません。

洗ったり、切ったり、炒めたり、焼いたり、煮たり、味付けするなどして材料を磨くことにより初めて材料は商品(財)に変化します。

 

どんなにいい人材を採用できたとしても、人材を教育したり、磨きをかけたりしなければ人材は人財には変化しません。

 

なので、人材を人財にするにはお金、時間、労力等のコストは避けて通れません。それは新卒であれ中途であれそれ相応のコストがかかります。また人財を維持するための場の提供や環境維持にもコストがかかります。よく外国人を雇えば、コストが下がるという幻想を抱いている経営者の方もいらっしゃいますが、むしろコストはあがります。言葉や文化が違う以上、教育の為のコストが日本人以上にかかります。

 

今の時代を生き残るためには、一人当たりの労働生産性を向上させるしかありません。つまり労働者一人当たり、幾らの付加価値が生み出せるかということが重要になります。

生産性の向上を図るには

・設備投資

・人材に対する投資(教育、研修、経験が積める場など)

最低、この二つの投資を行わなければ生産性向上にはつながりません。ましてや人件費=コストと考えているのではその考えは捨てていただきたいと思います。

 

コストの削減は人件費で行うのではなく、工程の見直しだったり、今までのやり方における検証作業で発覚した問題点の改善、戦略の見直しなどで行うべきです。人件費の削減は人材流出だけではなくそもそもの採用難につながったり、場合によっては蓄積したノウハウの流出にもつながるので企業にとっては大きな損失となります。またそれら損失を取り戻すことはほぼ絶望的とお考え下さい。変わりはそう簡単にはいないということを認識してください。

 

我々ITコーディネータの役割は単にITの導入だけではなく、どの様に経営力を向上させるかというのか、あえてITを使わず業務プロセスそのものを見直しを進言し成長を促す事ができる存在です。

つまりは企業と企業を取り巻く利害関係者(ステークホルダー)と共に成長を促し、発展をさせていくのがITコーディネータの役割です。単なるITの専門家ではなく経営にも精通したプロフェッショナルだということをご理解いただけますと幸いです。